故 宮澤章二先生に捧ぐ

「こころ」はだれにも見えないけれど

「こころづかい」は見える

「思い」は見えないけれど

「思いやり」はだれにでも見える


今、TVのCMで何度も流されているこの言葉。


もとの詞を作られた羽生市弥勒出身の詩人・宮澤章二先生は、6年前の3月11日に天に召されました。


東北関東大震災が起こったのが3月11日。

お亡くなりになった多くの方々のご冥福を祈り、被災された大勢の方々のお見舞いを申し上げ、被災地が一日でも早く復興できることを願いながら、この詞を作られた宮澤章二先生に心から感謝の意を表したい。

【行為の意味】


あなたの〈こころ〉はどんな形ですか

と ひとに聞かれても答えようがない

自分にも他人にも〈こころ〉は見えない


けれど ほんとうに見えないのであろうか


確かに〈こころ〉はだれにも見えない

けれど〈こころづかい〉は見えるのだ

それは 人に対する積極的な行為だから


同じように胸の中の〈思い〉は見えないけれど

〈思いやり〉はだれにでも見える

それも人に対する積極的な行為なのだから


あたたかい心が あたたかい行為になり

やさしい思いが やさしい行為になるとき

〈心〉も〈思い〉も初めて美しく生きる


それは 人が人として生きることだ


『結実の季節(21篇)』(宮澤章二 北辰図書 2002)に掲載


宮澤章二先生は、30年間に亘り埼玉県の中学生のために詩を贈り続けました。

詞『行為の意味』は、その中の一遍です。

 

今回の大惨事を目の当たりにした中学生が、いや、中学生に限らず人が人として生きることに目覚めたとき、正に「結実の季節」が到来するのでしょう。

●宮澤章二(みやざわ・しょうじ)略歴
大正8年(1919年)6月11日、埼玉県羽生市弥勒に生まれる。

小学校2年生まで羽生で育ち、その後東京の小学校を卒業。

昭和18年(1943年)、東京大学文学部卒業。

不動岡高等学校教論を経て文筆業(詩と歌詞)に専念。

作詞関係では童謡・歌曲・合唱曲・校歌・市民歌等を多数手がける。

中でも校歌は小・中・高校など300校に及ぶ。

日本童謡賞、赤い鳥文学賞特別賞等を受賞。

日本現代詩人会会員、日本童謡協会常任理事、日本作詞家協会理事、埼玉詩話会顧問等を歴任。主な著作は「蓮華」「空存」「枯野」「風魂歌」等多数。

クリスマス・ソング「ジングルベル」の作詞者としても知られている。

平成17年(2005年)3月11日逝去。

 

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コメント: 1
  • #1

    宮澤鏡一 (月曜日, 21 1月 2013 09:36)

    父親のことを取り上げていただきありがとうございます。
    2013年1月23日。羽生市立三田ケ谷小学校の空教室を利用して宮澤章二記念館がオープンします。是非一度おいでください。