新型コロナウイルスの感染が埼玉県内で拡大していることを受け、県は9日、感染症の専門家らによる「県新型感染症専門家会議」を初めて開催した。
県内では同日までに計10人の感染が確認されている。大野知事は会議後、記者団に「(感染経路が確認できない)『市中感染』が始まったところと理解している」と強調。その上で「最悪の状況も行政が考える必要がある」と述べた。
会議には、国立感染症研究所感染症情報センター長を務めた岡部信彦・川崎市健康安全研究所所長や、金井忠男・県医師会会長、川名明彦・防衛医科大教授ら6人が参加。大野知事や関本建二・保健医療部長ら県側の4人と議論した。
会議では、想定される感染者や重症者の「最悪の人数」(大野知事)を県が示し、これを受けて各市町村がシミュレーションを行って、医療設備の不足や予防策について議論する方針で一致。また、感染の有無を調べるPCR検査についても、患者ごとの状況から判断して優先順位を設けることが必要だと確認した。
議論を受けて、大野知事は「国の検討も見ながら、今週中には施策として方向性を打ち出したい」とした。