日経ビジネスに掲載された、池松由香のニューヨーク発直行便『新型コロナ、若者が次々に重篤化 NY感染症医の無力感』の記事を紹介したい。以下、引用だ。
新型コロナウイルスが世界で猛威を振るう中、欧米で注目が集まるのは、高齢者だけでなく若年層の感染や死亡の報告が増えていることだ。米国では、2020年3月24日にロサンゼルスで17歳の男性が、25日にはサンディエゴの自宅で自主隔離中だった25歳の男性が新型コロナ感染症で死亡しているのが発見された。28日にはイリノイ州で0歳児の死亡も報告されている。
当初は、エクスポーズしたら14日間は自宅待機という決まりになっていましたが、現在は熱や咳(せき)などの症状がなければ働いていいということになっています。14日間待機の時は、人手があまりにも足らず、外科医が内科の患者さんに目配せするような末期的な状況だったと聞いています。
看護師は、1日に10回くらいはICUの部屋に入って、1回当たり10分くらいは中にいますから、いつ感染してもおかしくない非常に危険な状況です。ER(緊急治療室)のドクターでも入院している人が何人もいます。かなり重篤化するケースも出ています。
若い人を助けてあげたいけど、全然ダメ。かなり急激に悪化して、戻ってこない。そんな場面が続くと、無力感にさいなまれます。
ニューヨークの病院では、遺体を安置する場所が足りないので、病院の横に冷凍トラックを駐車し、そこに遺体を安置しているような状態に陥っています。ご家族は感染リスクがあるので、死に目に会えないばかりかご遺体にも会うことができません。会えずじまいになるのです。本当に悲しいことです。
自分のことだけではなく、人に感染させるリスクも考えなければなりません。その人に疾患があり、免疫力が下がっていれば、感染に対応するのは難しいでしょう。他の人をそういった状況に陥れてしまう可能性があるということをもっと自覚して、行動してもらいたいと思います。
自分自身はもちろん、愛する家族や友人、そして命懸けの医療従事者を守るため、肝に命じて、軽はずみで余計な行動は厳に慎みたい。